
「朝の情報収集だけで時間がかかってしまう」
「カルテのどこを見ればよいのかわからない」
「情報を集めたはずなのに、先輩から質問されると答えられない」
新人看護師や育休明け、ブランク明けの看護師さんの中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
私も新人看護師の頃は、情報収集にとても時間がかかっていました。
不安で勤務開始の1時間以上前に出勤し、カルテを最初から最後まで読んでいたこともあります。
しかし、たくさん情報を集めたからといって、勤務中にスムーズに動けるとは限りません。
看護師の情報収集で大切なのは、カルテの内容をすべて覚えることではなく、
今日の看護に必要な情報を優先して確認することです。
現在の私は、勤務開始の15分ほど前に出勤しています。
さすがに15分前は少し遅すぎる日もありますが、新人時代と比べると、情報収集にかかる時間はかなり短くなりました。
この記事では、看護師が朝の情報収集を時短するための確認項目や、カルテを見る順番を具体的に紹介します。
この記事でわかることは、次のとおりです。
情報収集が苦手だと感じている方も、自分なりの型ができると、朝の焦りを少しずつ減らせます。
情報収集の後は申し送りも大切です。
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看護師の情報収集に時間がかかる3つの理由

情報収集に時間がかかるのは、看護師としての能力が低いからではありません。
カルテを見る項目や順番が決まっていないことが、大きな原因になっている場合があります。
まずは、情報収集に時間がかかりやすい理由を整理してみましょう。
カルテに書かれた情報をすべて読もうとしている
新人看護師の頃は、どの情報が重要なのか判断するのが難しいものです。
そのため、次のような情報をすべて確認しようとしてしまいます。
もちろん、患者さんを理解するうえで必要な情報もあります。
しかし、毎朝すべてを読み返していると、時間が足りなくなります。
情報量が増えすぎると、かえって今日必要な情報が埋もれてしまうこともあります。
カルテを見るときは、常に次のように考えてみましょう。
「この情報は、今日の看護に必要かな?」
今すぐ必要のない情報は、勤務中に必要になった時点で確認する方法でも問題ありません。
見る項目と順番が決まっていない
カルテを見る順番が毎回違うと、同じ画面を何度も開くことになります。
たとえば、検査結果を確認した後に医師の指示を見て、再び検査結果の画面へ戻ることもあるでしょう。
画面を行き来する回数が増えるほど、情報収集には時間がかかります。
また、患者さんごとにメモの書き方が違うと、抜けがないか確認するのも大変です。
情報収集を時短するには、毎回同じ順番でカルテを見ることがポイントです。
最初はチェックリストを見ながらでも構いません。
同じ手順を繰り返すことで、少しずつ自分の型が作られていきます。
病態と今日の予定がつながっていない
検査データや治療内容を確認しても、それが今日の観察項目につながっていなければ、勤務中に活用しにくくなります。
たとえば、心不全の患者さんを受け持つ場合、病名だけを確認するのでは不十分です。
次のような情報を関連づけて確認します。
数値をただメモするのではなく、「なぜこの情報を見るのか」を考えることが大切です。
情報収集では、次の3つを意識してみてください。
- 患者さんの現在の問題は何か
- 今日予定されている治療や検査は何か
- 勤務中に起こる可能性があるリスクは何か
この3点がわかると、集める情報を絞りやすくなります。
結論|情報収集は「今日必要な情報」から確認する
看護師の情報収集は、カルテの内容を暗記するために行うものではありません。
今日の勤務で安全に看護を行うために必要な情報を集めることが目的です。
情報収集の目的はカルテを覚えることではない
新人看護師の頃は、「先輩に質問されても答えられるようにしなければ」と思い、たくさんの情報を集めがちです。
私も、検査データを細かく書き写したり、過去の経過まで何度も読み返したりしていました。
しかし、看護師に必要なのは、情報をたくさん持っていることだけではありません。
大切なのは、患者さんの状態を予測して、必要な観察やケアにつなげることです。
情報収集をするときは、次の視点を持つと整理しやすくなります。
すべてを完璧に把握しようとせず、勤務開始後に必要な情報を優先しましょう。
最初に「今日何があるか」を確認する
情報収集を始めたら、最初に今日の予定を確認します。
たとえば、次のような予定です。
時間が決まっている予定を先に確認すると、勤務開始後の動きが見えやすくなります。
手術予定の患者さんであれば、絶飲食や休薬、必要物品などを優先的に確認します。
退院予定の患者さんであれば、処方薬や退院指導、家族の迎え時間などが必要です。
「今日は何があるのか」を先に知ることで、カルテから集める情報を絞り込めます。
看護師が朝に確認したい情報収集の基本項目

病棟や診療科によって確認内容は異なりますが、基本的な情報収集の項目は共通しています。
ここでは、朝の情報収集で確認したい項目を紹介します。
①患者さんの基本情報
まずは、患者さんの基本情報を確認します。
ただし、毎日すべてを書き写す必要はありません。
アレルギーや感染症、蘇生に関する方針など、
安全に影響する情報は初回の受け持ち時は必ず確認します。
既往歴も、現在の治療に関係するものを優先しましょう。
たとえば、糖尿病や心疾患、腎機能障害、抗凝固薬の使用などは、検査や処置にも影響します。
②現在の病状と治療経過
次に、患者さんがなぜ入院し、現在どのような治療を受けているのかを確認します。
入院から時間が経過している患者さんの場合、入院時の状態と現在の状態が大きく変わっていることもあります。
過去の情報だけでなく、現在の問題を確認することが重要です。
③バイタルサインと症状の変化
バイタルサインは、単独の数値だけでなく、前日や夜間からの推移を確認します。
たとえば、血圧が90mmHgだからといって、必ずしも異常とは限りません。
普段から血圧が90〜100mmHg程度の患者さんであれば、本人にとっては通常の値である可能性があります。
一方、普段は140mmHg前後の患者さんが急に100mmHgまで低下している場合は、注意が必要です。
患者さんごとの基準値と変化を見ることが大切です。
④検査データ
検査データは、すべてを細かく書き写す必要はありません。
次の項目を優先して確認しましょう。
たとえば、次のように病態と結びつけます。
- 出血:Hb、血小板
- 感染:WBC、CRP、体温
- 腎機能:Cr、eGFR、尿量
- 電解質:Na、K
- 肝胆道系:AST、ALT、ALP、γ-GTP、ビリルビン
- 心不全:BNP、腎機能、電解質
検査データは数値だけで判断せず、患者さんの症状やバイタルサインと合わせて確認します。
⑤点滴・内服・処置
点滴や内服、処置は、時間指定の有無を確認します。
特に、抗菌薬やインスリン、輸血、検査前の休薬などは、時間や条件を間違えないように注意します。
前日の指示と内容が変わっていないかも確認しましょう。
⑥ADLと日常生活の状況
患者さんのADLは、勤務開始後のスケジュールを考えるうえで重要です。
たとえば、移乗に2人介助が必要であれば、ほかのスタッフとの調整も必要です。
患者さんがどの程度動けるかを把握しておくと、勤務中の動きを組み立てやすくなります。
⑦夜間の出来事と最新の看護記録
朝の情報収集では、夜間の看護記録を必ず確認します。
前日の日中は落ち着いていた患者さんでも、夜間に状態が変化している可能性があります。
特に、医師へ報告した内容や追加指示は、見落とさないようにしましょう。
情報収集を時短するおすすめの順番

情報収集は、確認する順番を固定すると早くなります。
ここでは、私が意識している基本的な流れを紹介します。
ステップ1|受け持ち患者と重症度を確認する
最初に、受け持ち患者さんの人数と重症度を確認します。
すべての患者さんに同じ時間をかける必要はありません。
状態が不安定な患者さんや予定の多い患者さんから、優先して情報を集めます。
ステップ2|今日の予定と時間指定の指示を確認する
次に、今日の予定を確認します。
勤務開始後すぐに必要となる情報から確認すると、予定の見落としを防げます。
ステップ3|最新の経過と夜間の変化を見る
今日の予定を確認したら、最新の医師記録と看護記録を見ます。
特に、次の内容を確認します。
古い記録から順番に読むのではなく、まずは最新の情報を確認しましょう。
必要があれば、そこから過去の経過をさかのぼります。
ステップ4|病態に必要なデータを深く見る
次に、患者さんの病態に関係する情報を確認します。
ここら辺は勤務中でも大丈夫です。
私は実際に患者さんに会いに行って確認しながら行なっています。
たとえば、次のように確認項目を変えます。
心不全の患者さんなら、体重、尿量、浮腫、呼吸状態、水分出納を確認します。
感染症の患者さんなら、体温、炎症反応、培養結果、抗菌薬を確認します。
術後の患者さんなら、出血、疼痛、創部、ドレーン、尿量、離床状況を確認します。
糖尿病の患者さんなら、血糖値、食事量、インスリン指示を確認します。
患者さんごとに見る項目を変えることで、情報収集の質が高まります。
ステップ5|勤務中の行動予定に落とし込む
最後に、集めた情報を勤務中の行動に変換します。
情報収集だけで終わらせず、「自分は今日どう動くか」まで考えると、勤務開始後に迷いにくくなります。
患者別に見るべき情報を変えるとさらに早くなる

患者さんの状況によって、優先する情報は異なります。
代表的な例を紹介します。
手術前の患者さん
手術前の患者さんでは、次の項目を確認します。
手術室への入室時間から逆算して、必要なケアや準備を考えます。
手術後の患者さん
手術後は、術式や麻酔方法に加えて、合併症の兆候を確認します。
術後何日目なのかによっても、観察項目や目標が変わります。
点滴・抗菌薬治療中の患者さん
点滴や抗菌薬を使用している患者さんでは、次の項目を確認します。
抗菌薬は腎機能や培養結果に応じて変更されることもあります。
最新の指示を確認しましょう。
退院予定の患者さん
退院予定の患者さんでは、治療だけでなく退院後の生活も確認します。
患者さんや家族が不安なく退院できるように、説明が済んでいるかも確認します。
情報収集の抜けを防ぐメモの取り方
カルテを確認しても、メモの取り方が複雑だと情報を活用できません。
患者さんごとに同じ形式でメモを取ると、抜けを防ぎやすくなります。
患者さんごとに書く場所を固定する
メモには、次のような項目を作っておくと便利です。
- 病名・入院目的
- 現在の問題
- 今日の予定
- 注意する症状
- 点滴・内服・処置
- ADL
- 報告・確認事項
毎回同じ場所に同じ内容を書くと、必要な情報をすぐに探せます。
チェック項目をあらかじめ印刷したり、自分用のフォーマットを作ったりする方法もおすすめです。
「異常なし」は細かく書きすぎない
情報収集に時間がかかる人は、正常な情報まで細かく書き写している場合があります。
メモには、次の内容を優先しましょう。
カルテの内容をそのまま書き写すのではなく、自分が行動するために必要な情報を書きます。
▶︎チェックリストを作成したので活用してみてください👇
なお、患者さんの個人情報が記載されたメモの取り扱いは、必ず施設のルールに従ってください。
情報収集チェックリストを使う
情報収集の抜けが心配な場合は、チェックリストを使うと安心です。
最初はチェックリストを見ながら時間がかかっても、繰り返すうちに確認項目を覚えられます。
「基本情報」「今日の予定」「夜間の変化」「点滴・内服」「ADL」など、項目を固定しておくと便利です。
すべてを一度に完璧にしようとせず、まずは自分が忘れやすい項目から追加していきましょう。
育休明け・ブランク明け看護師が焦らないためのコツ

育休や離職期間を経て病棟へ戻ると、以前のように動けないと感じることがあります。
電子カルテの操作や病棟のルールが変わり、情報収集に時間がかかることもあるでしょう。
最初から以前と同じ速さを目指さない
復帰直後から、以前と同じスピードで動く必要はありません。
病棟の流れや患者層、電子カルテの操作に慣れるまでには時間がかかります。
情報収集が遅いからといって、看護師としての経験がなくなったわけではありません。
患者さんへの声かけや観察力、急変に気づく力など、これまでに身につけた経験は残っています。
まずは安全に勤務できることを優先しましょう。
わからないことは勤務中に確認する
勤務開始前に、すべての疑問を解決しようとすると時間が足りなくなります。
すぐに確認が必要なことと、勤務中に確認できることを分けましょう。
たとえば、点滴や検査時間、絶飲食などは勤務前に確認します。
一方で、詳しい治療経過や退院後の調整については、必要な場面で追加確認する方法もあります。
わからないことをメモしておき、リーダーや先輩看護師に優先順位を確認するのも一つの方法です。
早すぎる前残業を当たり前にしない
私も新人看護師の頃は、情報収集のために1時間以上前に出勤していました。
早く行けば安心できる一方で、毎日の負担は大きくなります。
情報収集も、患者さんを安全に看護するために必要な業務です。
長時間の前残業を個人の努力だけで解決するのは難しい場合もあります。
受け持ち人数が多すぎる、勤務開始前に情報を取らなければ間に合わないといった状況が続いている場合は、上司へ相談することも必要です。
▶︎毎朝早く出勤する生活が続き、疲れや不安を感じている方は、看護師が気をつけたいストレスのサインも確認しておきましょう。
情報収集を早くするためにやめたこと
私が新人看護師の頃と現在では、情報収集の方法が大きく変わりました。
カルテを最初から最後まで読むこと
以前は、入院時の記録から順番に読んでいました。
現在は、今日の予定と最新の記録を先に確認します。
詳しい経過が必要な場合だけ、過去の記録へ戻るようにしています。
正常な検査値をすべてメモすること
新人時代は、検査結果をほとんどすべて書き写していました。
しかし、勤務中に見返しても、どの数値が重要なのかわからなくなることがありました。
現在は、異常値や前回から変化した数値、病態に関係する項目を中心に確認しています。
患者さん全員に同じ時間を使うこと
患者さんの状態や予定は、それぞれ異なります。
状態が安定している患者さんと、手術直後の患者さんでは、必要な情報量も違います。
重症度や今日の予定に応じて、情報収集にかける時間を変えるようになりました。
わからないことを一人で解決しようとすること
新人看護師の頃は、質問すると「勉強不足だと思われるかもしれない」と不安でした。
しかし、わからないまま患者さんを受け持つほうが危険です。
今すぐ必要な情報がわからないときは、リーダーや周囲の看護師に確認することも大切です。
情報収集の目的は、自分一人で完璧に理解することではありません。
患者さんに安全な看護を提供することです。
情報収集だけで毎朝つらいなら働き方を見直してもいい

情報収集に時間がかかる原因は、個人のスキルだけではありません。
職場環境や業務量が影響している場合もあります。
情報収集に時間がかかる原因は本人だけではない
次のような状況では、どれだけ工夫しても時間が足りないことがあります。
「自分の情報収集が遅いから」と責める前に、職場全体の業務量も振り返ってみましょう。
派遣や単発勤務で自分に合う職場を探す方法もある
病棟勤務を続けるか迷っている場合は、派遣や単発勤務を経験しながら、自分に合う働き方を探す方法もあります。
▶︎看護師資格や経験を活かせる在宅ワークをまとめて比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください👇

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※勤務条件や募集状況は地域や時期によって異なります。
看護師の情報収集に関するよくある質問
- Q情報収集には何分くらいかければよいですか?
- A
情報収集に必要な時間は、受け持ち人数や患者さんの重症度、診療科によって異なります。
そのため、一律に何分が正解とはいえません。
大切なのは、勤務開始後に安全に行動できる情報を確認できていることです。
情報収集に毎日1時間以上かかっている場合は、見る項目や順番を見直してみましょう。
- Q検査データはどこまで覚える必要がありますか?
- A
すべての検査データを暗記する必要はありません。
異常値や前回からの変化、病態に関係する数値を優先して確認します。
また、検査結果だけでなく、患者さんの症状やバイタルサインと合わせて考えることが大切です。
- Q情報収集で必ず確認する項目は何ですか?
- A
最低限、次の内容は確認しておきましょう。
- 現在の病状
- 夜間の変化
- 今日の予定
- 最新の指示
- 点滴・内服・処置
- ADL
- 転倒や急変などのリスク
病棟や診療科によって必要な項目は異なるため、施設のルールや手順も確認してください。
- Q育休明けで情報収集が遅くても大丈夫ですか?
- A
育休明けやブランク明けは、情報収集に時間がかかることがあります。
電子カルテの操作や病棟の流れに慣れるまでは、以前と同じように動けなかったです。
ぜひ、チェックリストを使いながら、少しずつ自分の型を取り戻してください。
無理に一人で抱えず、優先順位を先輩やリーダーに確認することも大切だと思います。
まとめ|情報収集は見る項目と順番を決めれば時短できる
看護師の情報収集を時短するためには、カルテをすべて読むのではなく、今日の看護に必要な情報を優先することが大切です。
情報収集では、次のポイントを意識してみてください。
情報収集が遅いからといって、看護師に向いていないわけではありません。
必要な項目と見る順番が、まだ決まっていないだけかもしれません。
最初から完璧を目指さず、今日の受け持ち患者さんに必要な情報を一つずつ整理してみてください。
自分なりの型ができると、朝の焦りが減り、患者さんのもとへ少し落ち着いて向かえるようになります。
それでも、毎朝早く出勤しなければ業務が回らない場合は、職場環境や働き方を見直しても構いません。
派遣、転職、在宅ワーク、ブログなど、看護師経験を活かせる働き方は病棟勤務だけではありません。
▶︎看護師資格や経験を活かせる在宅ワークをまとめて比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください👇

今の自分や家族に合う働き方を、少しずつ探していきましょう。

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